公演情報
コロナ禍にもめげず、頑張っている方々の応援をお願いいたします。
アトリエ第Q藝術であった今回の講演評は、ライブ配信を見ての公演評です。
今後このようなことが普通になるかもしれない、コロナ禍でのあり方になるかも知れないと思いつつ、益々、これからの芸術としてのダンスの見えない部分(カメラでは捉えられない)について危機を感じています。
例えば、脚を高く上げたり、たくさん回ったり、見える形を見せるのであれば分かりやすい。
でも、ダンスはそれだけではない。
解剖学的には、皮膚、筋肉、神経、血液(リンパ腺)、骨などに分類される。よく言われるのは、モダンは筋肉、バレエは骨、コンテンポラリーは関節、舞踏は内臓、ダンスパサージュは皮膚(神経)を通してのパサージュ(道)。
このように分類してもそれで全部分かったわけではない。たくさんの技術要素が混じりあって現実のダンスがある。
今回は、ダンスのデュオ、共演(競演)という形、一番論じやすい初日と楽日を取り上げたいと思う。
2月15日 加賀谷香✖️鈴木ユキオ
モダンダンスと舞踏という始点の異なった二人によるデュオ。
技術的な対決の熱量のように見せたコンセプトに興味が湧く。
モダンダンスを基礎とする加賀谷が関節を支点とするコンテンポラリーの領域に突入して技術のかぎりを見せる。彼女のダンス技術は多様で評価されている。そして、鈴木ユキオの訓練されたダンス技術も多様で優れている。何が違うかという点になると、舞踏を基点とする鈴木は、関節以外の内部(内臓)をもっているという点で、何歩か先を行く。彼は自我から離れて空間にデザインするように動きを描く。加賀谷は自我をもとに動いている。
モダンを基点とする加賀谷の優れた技術をもってしても鈴木の技術的な深みには及ばない。専門的には、根本的に解剖学からダンス技術の基礎を学び直さなければならないということである。加賀谷の資質の良さは一目瞭然であるということは言うまでもない。
初日に行われた猛烈なダンスの嵐(熱量)が一番、技術の面で語りやすい。
ダンスの技術論を考え直すの機会をいただいたことに感謝したい。
2月20日 南 阿豆(舞踏家)✖️ 水越 朋(ダンサー)
二人のデュオが初日と違うとすれば、美術(道具)石を用いたことで空間の広がりを演出した点である。そして、最も違うのは、ダンス技術の違いである。
南 阿豆は舞踏の第3世代なのだろう、カメラではよく捉えられていない皮膚を意識した動きを見せた。彼女のダンスする時間は宇宙的(内臓的)で深く、精神的とも言える軽さがある。
水越 朋の取る時間は現在(今、現実)である。その時間感覚でよく動く。彼女には発生形態学が身体の中に入っているという点でモダンを超えている。(二人を楽日にしたプロジェクトの目は確かだと思う。)
難を言えば、美術との関わりが曖昧だったため、作品としてコンセプトが希薄になった。例えば、石をきちんと踏めば全体が良く見えてきて、空間の収縮・広がりが宇宙的に広がって、観客にたくさんのイメージを与えられて面白い公演になったのではないかと思う。
この事に関しては、カメラに映さない微妙な範疇なので、公演に参加した方々の意見を聞きたいと思う。(ただ、石に触れるだけで作品として空間が変質したのか知りたい。)
これからソロを遂行する南 阿豆の大事なポイントの公演になったように感じる。
「メソッドはメッセージ」であるが、それを超える独自の解釈の苦役とも言える創造の道、
動きを大事にしながら、飛び地してほしいと思った。
そして、
日本のダンス界のために、独自の視点を持つ若い批評家の到来を待ち望んでいる。
付記:(3・3)
加賀谷さんは、マイム技術を取り入れたらどうでしょう。
水越さんは、内部技術を取り入れるようにしたらどうでしょう。
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舞踏馬鹿 土方巽の言葉とともに 正朔
土方巽の最後の弟子であった 正朔による著書。
2022年3月に発売された。
2,420.(税込み)
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デュシャン研究の第1人者 北山研二氏が7月24日 赤羽 アルトー館にて
写真は、京都国際芸術祭フリンジ 2019に参加した時のラストの自由ポーズの1部です。 踊り手:藍木二朗 撮影:加藤英弘
女踊りが好きな人は、こちらだけを練習するのも良いです。但し、ダンスを目指す人は、男踊りから行うことを勧めています。
*件名を ダンス「繭(いと)の夢」衣装デザイン応募 とし、デザイン画は、用紙中央
ダンス芸術の波及・発展を願い、ダンス公演、オンラインも含めてダンスニュースをお届けします。(不定期)
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